2歳前後から始まるイヤイヤ期、子育てを経験したことがある方なら誰しもが頭を悩ませる時期ですよね。筆者の家でもその真っ只中の息子を抱えています。自我が芽生え、やりたいこととやりたくないことがはっきりしてきて、できると機嫌は良くなりますが、できないと分かると癇癪をおこし、酷いときには30分以上も泣き続けることもあります。どうして少しの我慢や待つことができないのだろうと思うことありますが、生まれて間もないこどもは、人生の経験が圧倒的に足りないのです。それに加え脳も未発達。感情のコントロールもうまくできていないので仕方のないこと。我慢することをこの時期に自ら学んでいかなければいけないのです。そんなこどもに手をさしのべて、うまくストレスを発散させてしつけていくのは親のとっても大事な役目になります。
では実際どうやっていけばいいのでしょうか。こどもの性格やおかれている状況・環境によって効果は違ってくるとは思いますが、筆者が試して良かったことをいくつかご紹介します。やってみようと思うことからはじめて、工夫しながら一緒にイヤイヤ期を乗り越えましょう。
この記事の目次
こどもを観察して理解しようとする
何度言っても言うことを聞かないと、『イヤイヤ期だから』とひとくくりにして諦めいていることはありませんか?イヤイヤ期がはじまるころはまだ言葉もうまく使えていません。こどもと親の間で意思疎通がうまくできていない可能性があるのです。筆者の息子も手を洗うのを頑なに拒む時期がありました。でもそれは手を洗うことが嫌なのではなく、家で使っている洗面台の台代わりにしていた簡易椅子がグラグラして怖いことが原因でした。こどもは頭が重くて大人に比べてバランスをとるのが難しいし、手をゴシゴシする時に体も揺れる。大人ではなんてこともないこともこどもにとっては大きなストレスになっていたようです。保育園では自分から率先して洗いにいくのに家だとどうしてだろうと思っていました。こどもを観察していると分かることがあります。自分の言葉で上手に伝えられるようになるまでは、こういった気づきが少しでもこどものイヤイヤを防ぐことができるのですよね。
習慣付けることが大事
言うことが分かるようになる前からの習慣付けはそのあとの育児も楽になります。例えば筆者の家では、生まれた時から習慣にしていたこと、それは『部屋が暗くなったら寝る』です。習慣になるまでの過程はとても大変でしたが、そのかいあって今ではさほど大変ではなくなりました。部屋を暗くするともう寝る時間と理解しているので何とか横になってくれます。布団でゴソゴソと動いたりはしますが気がつくと寝てくれるので助かっています。
視覚を通して理解させる
言葉がわかり始めた頃では、親が教える決まりやルールをまだ完全に理解できていない可能性があります。分かりやすく絵にしてみるととても効果的でした。息子が突然、長靴を履くのを嫌がるようになりました。その嫌がりようが半端なくて、もの酷い癇癪でした。以前に履いていたときは機嫌もよく嫌な感じはせず、むしろ本人も長靴を履くのが楽しそうだったので、理由が見当たりません。でも嫌がるすべての理由を解明できる訳もなく、途方にくれていました。そして思いついたのが『絵』です。画用紙の表面には雨のマーク、裏面には長靴。もうひとつの紙には晴れマークと裏にはスニーカーです。
これを見せながら『今日は雨降っているかな?晴れているかな?』と質問しながら、晴れている=スニーカー、雨が降っている=長靴といった決まりを理解させました。
この方法は
・お外から帰ってきたら手を洗う
・ご飯はスプーンとフォークを使う
・ご飯を食べたら歯を磨く
などにも応用できますね。
絵を見せながらしつけてあげると楽しく学べますよ。言っても聞かないのではなく、こどもが理解できていない・色んなことを言われて戸惑っている可能性もあるのです。そしてもう一つ大事なことは、しつけはパパママの間で統一させるということ。言っていることがバラバラだとこどもだって困惑します。その場合はこういったアイテムを使うと楽に共有できるのではないでしょうか。
根気強く教えて、親が折れないことが大事
とにかく育児は大変です。ヘトヘトになってもうどうでもいいやと思ってしまうことは多々あります。ですが、こどもの中で「やって当たり前・やってはいけないこと」が習慣になって自然と身に付いてくれれば子育てがグンと楽になっていきます。その習慣づけに何より大事なのが『根気』です。何度も何度も繰り返し教えていくことが必要になってきます。
筆者の家では『1日キャンディーチーズは2つまで』と決めています。最初はギャン泣きして、もっと欲しいと大変でした。ですが、泣いてもわめいても2つ以上あげることはしませんでした。それを何回も繰り返すことで「2つ以上はもらえない」と理解したのか、もうないよと伝えるとそれ以上わめくことはなりました。一筋縄ではいかないのが子育てです。うまくいくときもあればいかない時もあり、こどもが成長するにあたって今までのやり方では通じなくなってくることもあるでしょう。ですがこどもが成長すると同時に親のレベルも上がっています。臨機応変に対応しながら、諦めずに根気強く続けて下さいね。
冷静になってまずはこどもの話を聞いてあげる
あまりにもイヤイヤがひどくて、パパもママも疲れてしまうことありますよね。そんな時は心にも余裕がなくなるもの。ついカッとなって声を荒立ててしまします。ですが息子には逆効果でした。余計に癇癪がひどくなって手がつけられない状態に・・・。心に余裕がなくてもまずはひと呼吸してイライラを飲み込んでから、こどもと向き合ってみましょう。息子はぶどうが大好きでおかわりしたいと大騒ぎした時がありました。その時は十分なくらいぶどうを食べた後だったので今日はおしまいだよと言ったのですが、聞く耳をもちません。ママの言葉は確実に理解している、だけどもう少し食べたい欲の方が強かったようです。その時は「ぶどう美味しかったね」「とっても甘かったよね」「だからもう少し食べたかったのかな?」とこどもに寄り添うように優しく話しかけ「でもね、今日はもういっぱい食べたから、明日また食べようか」と問いかけてみるとびっくりするくらい素直に「うん」と言ってくれました。毎回うまくいくとは限りませんが、一度カッとなるのを抑えて、こどもの気持ちを理解してあげることもやってみる価値はありそうですよ。
すぐに効果があると期待するのは禁物
色々と試してみるとすぐに効果があることとそうではないことがあります。例えば、生まれた時はもとより1歳そこそこでは何を言っても理解が乏しいです。ですが、何かを伝えようとしているのは、そのくらいの歳でもわかっています。理解できないからしないのではなく、理解できなくてもこどもに何かを伝えようとすることは大事だと思うのです。無駄だと思ってやってきた言葉でのしつけもやっと2歳頃になり、意味を理解できるようになると花咲くようになるのです。親だってこどもにきちんと言葉を通してしつけをするという習慣ができ、ステップアップしているとも言えます。一度効果がなかっただけで、辞めてしまうのはもったいないです。様子を見ながら、色々とチャレンジしていくことは無駄なことではないですよ。
褒めてあげる
言ったことを理解してきちんとできた時は褒めてあげることも重要です。大人だって褒めてもらえるとモチベーションにつながりますよね。それと同じこと。こどもだって見返りがあると頑張れるものです。筆者の家では、上手にできたときは小さなことでも大げさにほめるようにしています。そして、ほめられた時の息子の自慢げな顔がみたくて、多めに褒めてあげることもありますよ(笑)
できないことも理解してあげる
どうやってもこどもをなだめることができない時があります。それは「体調が悪い時」「眠い時」「おなかが空いている時」です。この時だけは何をしてもうまくいきません。こればっかりは生理的なものでどうすることもできません。こどもだって常に体調が万全でいるとは限りませんから、それをいち早く察知して、理解してあげることも大事ですよ。ここで注意してほしいのがこの誤解からこどもを責めてしまうこと。イヤイヤの原因が体調の悪いことからくることもあり得るのです。親は大変ではありますがきちんと観察してあげて、言葉で自分の状態を伝えに来てくれるまでの辛抱ですよ。
イヤイヤ期は感情のコントロールを学ぶ時期です。それと同時に社会のルールや規則なども教えていかなければいけません。たとえ言われたことを分かっていたとしても、自分の中で納得して処理できなければ意味がありませんよね。何度も根気強く教えて、こどもが納得するまで親はこどもに寄り添い支えていく役目があります。大変ではありますが、こんなにこどもが自分を頼ってかまってといってくれるのなんて長い人生のうちほんの数年。今この大変な時間も大切にし、いっぱい愛情を注ぎながら、こどもが上手にイヤイヤ期を卒業できるように助けてあげられるといいですね。