自分の子どもに手作りの服を着せたいけど、作るのが難しそうで私には無理……と、思っている方はいらっしゃいませんか?
たしかに、初めての方にとって洋服作りは難しく感じるかもしれませんが、子供服は大きさも小さく、形もシンプルなものが多いので、大人服と違い意外と簡単に作れるのです。
大切な我が子のために心を込めて何かを作ってあげるというのは、本当に楽しい仕事です。
既製品とはひと味違う、世界でたった1つだけのお洋服は、お子さんだけでなくお母さんにとっても大切な宝物になりますよ。
「ミシンかけが苦手で、まっすぐ縫えないから、洋裁はできません」という声をよく聞きますが、実は、手作り服の出来栄えは、ミシンがけの上手下手だけで決まるのではありません。
それよりも、作る過程で「ある3つのポイント」を押さえることが大切で、そこがうまくいくと着心地がよく美しい仕上がりの洋服を作ることができます。
そのポイントとは、
- 型紙作り
- 布選び
- 子供服に適した縫い方
の3点です。
服作りでは、最初にデザインを決めて型紙を作らなければなりませんが、デザインから型紙をおこすのは洋裁経験者でも難しいものです。
そこで、初めての方は、市販の実物大型紙や、付録として実物大の型紙が付いた洋裁本などを利用するのが便利です。
最近は種類も豊富なので、お気に入りのデザインがきっと見つかります。
ただ、子供服は小さいので、型紙を写す時の少しのくるいが出来上がりに大きな差を生みます。
そこで、着心地も仕上がりもよい服を作るためには、くるいが生じないように丁寧な作業を心がけることが大切なポイントになります。
実際には、実物大型紙は次のように利用します。
- 必要な型紙を確認します
自分の作りたいデザインが決まったら、型紙を用意し必要な枚数を確認します。
市販の型紙や本の付録の型紙は、1枚の紙に違うデザインのものやサイズ違いのものが複数印刷されていることが多いので、間違いやモレのないように注意して必要なパーツを確認してください。
- 型紙は別の紙に写して使います
図Aのようにハトロン紙などの薄紙を型紙に乗せて写しとるか、図Bのように型紙と白い紙の間にチャコペーパーをはさんで、ルレットなどで写しとってください。
合印やポケット、ボタンの位置や縫い止まりなども忘れずに写してください。
- 再確認をして型紙を切りとります
型紙を写し終わったら、念のためパーツが全部そろっているか再確認し、ハサミで切り離します。
- 布の上に型紙を置き、布を裁断します
型紙を置いたら、動かないように待ち針で何か所かとめ、チャコなどで縫い代をつけてから、布を経ちます。
布選びは、服作りの中で1番楽しい作業かもしれません。
生地屋さんで、あれこれ悩んでしまうことも多いもの。
布を選ぶときには出来上がりをイメージして選ぶことが大切ですが、そのためには1つコツがあります。
特に柄のある生地を選ぶ場合、洋服を選ぶときのように間近で見るのではなく、生地を少し広げて2~3メートル離れたところから見てみてください。
そうすると、洋服に仕立てた時のイメージをつかみやすくなります。
また、作るものにもよりますが、初心者には中くらいの厚さの綿などが縫いやすくおすすめで、ニットやジャージなどの伸びるタイプの生地は扱いが難しいので避けた方がよいでしょう。
また、柄の小さい生地を選ぶと、縫い目の乱れが目立ちにくいので重宝です。
ポイント3:子供服に適した縫い方をしよう
既製服は、布端をロックミシンで始末しているものがほとんどですが、子供服は動きも激しく洗濯回数も多くなりがちなので、布端からほつれてしまうものも少なくありません。
そこで、せっかく手作りで洋服を作るのですから、手作りらしい丈夫な縫い方を覚えましょう。
初心者の方は、袋縫いと折り伏せ縫いの2つを知っておくと、縫い代の始末もできて便利です。
■袋縫い
厚地の布にはごろごろする場合があるので向きませんが、パンツなどの股上などに使うと、丈夫に仕上がります。
■折り伏せ縫い
折り伏せ縫いは、縫い目が丈夫なうえ、縫い代が隠れてスッキリとしており、表から見てもきれいな仕上がりになります。動画内で説明されている「押さえじつけ」は、折り伏せ縫いが完成したらしつけ糸を抜き取ってくださいね。
レッツ・ソーイング!みんなに自慢したくなる子供服を作ろう
3つのポイントがわかったところで、国内外の手作り応援サイトから手作り子供服の実例をご紹介しましょう。
ご紹介するサイトでは、無料で型紙がダウンロードできたり、詳しい作り方が掲載されていたりしますので、初めて子供服を手作りする方の強い味方になってくれます。
洋裁本や手作り応援サイトを利用して、順序よく丁寧に仕事を進めていけば、まわりの人に自慢したくなるようなお洋服ができますよ!
作例1
(画像:そーいんぐ.com)
手作りファンのための情報サイト 「そーいんぐ.com」内の手づくりレシピカタログ「fil vol.37」に掲載されているジャンバースカートにもなるワンピースです。
生地選びのセンスの良さが効いている1着ですね。
脇は、折り伏せ縫いを使うとスッキリ仕上がるでしょう。
シンプルなデザインで縫うのも簡単ですから、同じ形で布を変え何枚も作ってあげたい作品ですね。
※必要な材料や詳しい作り方はこちら ⇒ fil vol.37 手づくりレシピ
作例2
(画像:THE BLOG birch organic fabric)
無料の型紙や作り方が数多く紹介されている「THE BLOG birch organic fabric」で見つけたパジャマパンツです。
北欧テキスタイルを思わせる柄とおしゃまなデザインが、パジャマではもったいないほどで、やはり布選びのうまさが光ります。
この作品だけでなく、一般的にパンツを作る時は、脇や股上・股下を縫うときに袋縫いや折り伏せ縫いを使うと丈夫に仕上がります。
※必要な材料や詳しい作り方はこちら ⇒ THE BLOG birch organic fabric
英文のサイトですが、豊富な写真で型紙や作り方等を紹介していますので、英語が読めなくてもわかりやすく参考になります。
作例3
(画像:craftiness is not optional)
型紙販売も行っている「craftiness is not optional」で紹介されているこちらのワンピースは、なんと子ども用のTシャツをばらして型紙代わりにしたという技ありの1着です。
スカート部分は長方形の布にギャザーを寄せただけですし、キュートな赤いスカラップの襟はミシン糸の糸巻の円形を利用して適当に作ったという、なんともお手軽なドレスですが、とてもそんな風には見えない出来栄えですね。
針仕事に慣れてきたら、アイデア次第で色々な作り方ができるという好例です。
※必要な材料や詳しい作り方はこちら ⇒ fil vol.37 手づくりレシピ
Tシャツから型紙を作る方法は、 keyhole tee shirt: a tutorial で紹介されています。
こちらも英文のサイトですが、英語が読めなくてもわかりやすく参考になります。
子供服作りの3つのポイントと作例を見てきましたが、「これなら、私にも作れそう!」と感じていただけたのではないでしょうか?
ほとんどの子供服は、家庭科の授業で使ったことのある裁縫道具だけで作れます。
子供服作りの3つのポイントに注意しながら、作り方に従って丁寧に作業をすれば、思った以上に簡単に素敵なお洋服が完成します。
ミシンがなければ、手縫いでもOK!……小さいのでそれほど時間もかかりませんし、温かな風合いのお洋服になりますよ。
お子さんを思いながら、ひと針、ひと針、作業を進めているときの穏やかな時間、出来上がった時の達成感、そしてお子さんの喜ぶ顔……そんなたくさんの幸せ体験が待っている子供服作りに、ぜひ挑戦してみてください。