妊娠初期は、赤ちゃんを授かった大きな喜びを感じる一方で、想像以上のつわりの辛さに悩む方がたくさんいます。たとえ重い症状でなくても「つわりさえなければ、もっと楽しいマタニティライフがおくれるのに……」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、ニューヨークから妊婦さんに向けて様々な情報を発信し続けるWEBサイト The Bump の情報をもとに、先輩ママたちの声を参考にしながら、つわりに効く食べ物を7つご紹介します。日本でもおなじみの食べ物だけでなく、ちょっと意外な食べ物も登場しますので、つわりが辛いと感じる時にぜひ試してみてください。
つわり時には、冷たいものが食べやすい?!
つわりが始まると、温かいものを受けつけないという方が意外と多くいらっしゃいます。温度が高い食品は、香りも強くなりがちなので、食べにくくなるようですね。そんな時に人気があるのが、冷たい食べ物です。
■コールド・サンドイッチ
ニューヨーク在住の先輩ママたちのおすすめは、サンドイッチ。それも、ホットサンドではなく、ハムやサラダなどの冷たいフィリングを挟んだサンドイッチに人気があります。つわりは、英語で“Morning Sickness”と言われるほど、朝の空腹時に症状が強く出やすいもの。「前夜に用意しておいて、朝起きがけにパッとつまむことで、気分の悪さを鎮めることができた」という声が多く聞かれました。
■アイスキャンディ
濃厚でクリーミーなアイスクリームではなく、「アイスキャンディをよく食べていた」という方も多いですね。さっぱりとした口当たりと適度な甘さが、人気の理由です。
ただし、量が多いと、カロリーも高く体を冷やしてしまう心配もありますから、くれぐれも食べ過ぎは禁物です。
つわり時の水分補給に欠かせない! おすすめの飲み物
嘔吐が続くような辛い時期には、食べ物はもちろんお水さえ飲みたくないということもありますね。そんな時に、以下の2つの飲み物に助けられたという方がたくさんいました。
なお、飲み物に関しては、カフェインを避けるためコーヒーや紅茶を我慢する人が多いのですが、例えば「デカフェ(カフェインレスのコーヒー)などを利用して、我慢によるストレスをためすぎないようにした」という声もありました。
■炭酸飲料
吐き気を感じた時や胃がむかむかする時に飲むと、口の中や胃がすっきりするので、炭酸飲料は、つわりの時の妊婦さんには欠かせない飲み物ですね。おすすめは、甘味料を含まない炭酸水。
The Bumpでは、コーラや炭酸ジュースを押す声も多かったのですが、糖分が多くカフェインを含むものもありますので、飲み過ぎないようにご注意ください。
■ハーブティ
「爽やかな香りが気分をリフレッシュさせてくれる!」とニューヨークの妊婦さんに人気なのがハーブティです。けれど、ハーブの中には、例えばカモミールやセージのように子宮収縮を促すとされるものなどもあって、妊娠中にはおすすめできないものもありますので飲用には注意が必要です。
安心して飲めるという点で、ルイボスティをすすめる声がありました。
ルイボスティは、カルシウムや鉄分などのミネラルを豊富に含み、くせのない味ですので、たしかにつわりの時に向く飲み物といえますね。
思い立ったらすぐにつまめる食べ物があるといい
吐き気やムカムカなどのつわりの諸症状は、特に空腹時にあらわれることが多いものです。そこで、多くの妊婦さんが、起床時や「何か食べてみようかなあ」と思った時にすぐ口に入れられるものを用意していました。
ガムや飴といったお菓子を除くと、次にご紹介する2つの食品が人気です。どちらも、栄養面からもおすすめできる保存食です。
■グラハムクラッカー
日本では、まだなじみの薄いグラハムクラッカーですが、アメリカではつわりの時に良い食べ物として定番になっているようです。グラハムクラッカーは、全粒粉の1つであるグラハム粉を使って作られたクラッカー。精製された小麦粉を使ったクラッカーに比べて食物繊維、ミネラル、ビタミンなどが豊富ですから、妊婦さんにはうってつけの軽食ですね。
そのまま食べるほか、砕いてサラダのトッピングにしても美味しいですよ。
■ドライマンゴー
ドライフルーツは、便秘にもよく、妊娠中に必要なミネラルやビタミンも豊富に含むため、つわりの時期のおやつや食事代わりに重宝されています。なかでもThe Bumpで人気が高かったのは、ドライマンゴーでした。
ただ、マンゴーはドライフルーツの中でも比較的カロリーが高いため、妊娠後期など体重管理が必要な時期には食べ過ぎないようにしてください。カロリーが気になる方は、砂糖をまぶしていないものを選ぶとよいでしょう。
1つで色々な使い方ができる優れもの
食べたいものや食べられるものが限られてしまいがちなつわりの時期には、「これなら食べられる!」という味が1つあると、ずいぶん助けられるものです。
そんな食品の1つとして多くの妊婦さんが利用しているのが生姜です。ジンジャーエールなどの飲料として、また食欲がない時のお料理のスパイスとしてなど、様々な料理に気軽に使えて便利な点が支持されています。
■生姜
日本では冷え対策に利用される生姜が、アメリカではつわりの時に良いとして幅広く利用されています。オーストラリアのアデレード大学で行われた臨床試験では、生姜の辛み成分が吐き気をおさえて、つわりの諸症状を緩和してくれることが確認されています。(※)
生姜湯やジンジャーエールに利用したり、レモンと合わせてドレッシングを作ったりなど、工夫次第で様々な使い方ができる点も魅力です。もちろん、つわりがおさまった後も、体を冷やしたくない妊娠期にはずっと重宝する食材です。
※ 米国産婦人科学会(ACOG)が発行する学術誌『Obstetrics & Gynecology』2004年4月号による
アメリカの妊婦さんがつわりの時に良いとすすめる食べ物を7つご紹介しました。
つわりの症状は、本当に千差万別で個人差も大きいため、自分に合った食べ物や対処法を見つけることが、快適なマタニティライフへの第1歩になります。
つわりの時期は辛いと思いますが、もう少しの辛抱です。お腹に手を当てるだけでゆったりと幸せな気持ちになれる……そんな、妊婦さんだけが味わえる特別な時間が、すぐそこに待っていますよ。