赤ちゃんに必要な栄養が含まれている母乳ですが、月齢が進むと栄養がなくなる、という話を聞いたことがあるでしょうか。
今回は、赤ちゃんの月齢と母乳の関係についてご紹介します。また、離乳食が始まってからの母乳育児の役割についても見ていきましょう。
この記事の目次
月齢が進むと母乳の栄養がなくなるって本当?
母乳は栄養が豊富といわれていますが、それだけたっぷり栄養が含まれているのならずっと母乳でもいいのでは?と思ってしまいますね。
しかし、人間が成長するため・生きていくためには離乳食から食べ物に慣れていく必要があります。そして、最終的には卒乳ということになるのです。
では、なぜ母乳だけではだめなのか?と考えた時、もしかして赤ちゃんの成長につれて、母乳にどんどん栄養がなくなっていくからでは?という疑問を抱く方もいるかと思います。
その答えは、「母乳から栄養がなくなるわけではない」です。
正しくは、赤ちゃんの月齢が進むにつれてママの母乳の栄養成分が変化します。
つまり、赤ちゃんのその時の月齢にあった栄養成分の母乳が生成されるということなのです。
母乳に含まれる栄養成分と赤ちゃんの成長の関係は、こちらの記事をご覧ください。
母乳にはどんな栄養がある?赤ちゃんの成長への影響まで徹底公開!
母乳の成分の変化とは?
赤ちゃんの月齢に合わせて母乳が変化していきますが、「初乳」「移行乳」「成乳」に分けられます。
ここでは、それぞれの特徴についてご紹介します。
初乳
生まれてから数日間の母乳を「初乳」といいます。
産後すぐに赤ちゃんに授乳する産院も多いですが、これは初乳に含まれる栄養が豊富だからです。
初乳は黄色っぽくどろっとしているのが特徴です。ミネラルやたんぱく質はもちろんのこと、免疫成分もたっぷりと含まれています。
生後数日間しかあげられない初乳は、ママから赤ちゃんへの最初の贈り物ですね。
移行乳
最初は黄色くどろっとしていた母乳ですが、生後5日くらいになるとだんだん白っぽくさらっとしてきます。
この時期の母乳は「移行乳」と呼ばれ、初乳のころよりも量が増えてくるように。
移行乳の特徴としては、免疫成分やたんぱく質が減るということ。その一方で、脂肪や炭水化物(糖質)は増えてくるのです。
母乳の栄養自体が減るというより、全体的に栄養の内容が変化しているということですね。
成乳
移行乳を経て、生後10日から2週間くらいには母乳は成乳という状態に変化します。
そして、成乳はそのあと長い期間赤ちゃんの成長を支える存在に。
成乳の特徴としては、たんぱく質やミネラルが減り、脂肪や炭水化物が増えます。
たんぱく質やミネラルが減るからといって、全くなくなるわけではないので安心してください。
月齢が進むとともに活動が増え、エネルギー消費量も多くなる赤ちゃん。
そんな赤ちゃんの成長に合わせて、脂質や糖質といった成分が増えていくということなのです。
離乳食が始まってからの母乳育児の役割とは
生後4~5か月ごろになると、離乳食を開始するという赤ちゃんも多いでしょう。
それでは、離乳食が始まってからは母乳育児はどのような役割を果たすのでしょうか。
離乳食初期は食事だけでは栄養が不十分
離乳食は重湯から始め、母乳やお茶以外の物を口に入れることに慣れていきます。
そして、おかゆやペースト状のおかずを食べていくようになります。少しずつ食べ物に慣れていき、赤ちゃんの消化器官も発達していくのです。
赤ちゃんの様子に合わせて、まずは1口ずつから始めるので最初から離乳食だけで栄養が摂れるわけではないですね。
そのため、離乳食初期では食事からよりも、母乳からの栄養がメインになります。
1回で食べられる量が少ない
離乳食中期では1日2回食になり、食べられるものも増えてきます。しかし、それでもまだ1回で食べられる量は少ないです。
離乳食と離乳食の合間や寝る前、夜中に空腹で起きた時などに母乳を飲む赤ちゃんは多いでしょう。
ママと赤ちゃんのスキンシップ
母乳育児のメリットのひとつであるママと赤ちゃんのスキンシップ。
離乳食が始まり、1日3回食になっても赤ちゃんが母乳を飲みたがるのは、スキンシップのためということもあります。
離乳食で栄養が摂れるようになったら卒乳すべき?と悩むママの多いのではないでしょうか。
しかし、卒乳のタイミングはその子によって様々です。
まずは母乳をほしがったらスキンシップだと思い、自然な形で卒乳できるといいですね。
月齢が進むと風邪を引きやすくなるのは母乳の栄養の関係?
1歳近くになったら咳や鼻水が増えた…。
そんな話を聞いたことがあるママも多いのではないでしょうか?
そういう話を聞いたり我が子がそうだったりすると「母乳の栄養がなくなったの?」と不安になってしまうこともあるでしょう。
先ほどお伝えしたように、母乳の栄養はなくなるのではなく「変化する」のです。
初乳には免疫成分が多く含まれていましたが、移行乳では減ります。
しかし、月齢が進むにつれて風邪を引きやすくなるのは母乳に含まれる免疫成分の影響だけではないでしょう。
赤ちゃんは成長とともに外出の機会が増えたり、他の赤ちゃんや子どもとのふれあいの機会があることも。
また、赤ちゃん自身もいろいろな物を手に取って口に入れたりしますね。
そういったことから、赤ちゃんは成長するにつれて様々な細菌やウイルスと接する機会が増えるのです。
今回は赤ちゃんの成長と母乳育児の関係についてご紹介しました。
月齢が進むと母乳の栄養がなくなるのか不安になるママもいますが、実際のところ母乳は栄養がなくなるのではなく変化します。
しかし、赤ちゃんの月齢が進むとますます活動的になり母乳だけでは栄養が足りなくなります。
そのため赤ちゃんは離乳食で食べる練習をしていくのです。
離乳食を始めてからも、母乳は赤ちゃんの栄養・水分補給に役立ちます。さらに栄養面だけでなくスキンシップというメリットもありますよ。