お話しが少しずつできるようになってきて、かわいい盛り。それなのにだんだんと「イヤ!」と言うようになってくると、親としてとても困りますね。
家事などで忙しい中「公園行くから、靴はいてね」と言うと、「イヤ!」。ママはわざわざ時間を作って公園に連れて行ってあげると言っているのに、なぜ「イヤっていうの?」とうんざりしてしまうことがあるかもしれませんね。
2歳前後にみられるのが、イヤイヤ期。子どもが「自分でやりたい」「自分でできる」の意思表示が強くなる時期です。
イヤイヤ期のあらわれは、成長の証
何でも「イヤ!」と言われてしまうと、親としてイライラしたり、対応に疲れてしまうこともありますが、これは、意思表示できるように育った証拠。親が今まで子どもの気持ちを受け止めてきたからこそ、子どもが自分の気持ちを表現することができる、という証です。
ねんね期の赤ちゃんが泣いたときに抱き上げたり、おっぱいをあげたり、おむつを替えたり。赤ちゃんが笑うと、ほほえみ返して「気持ちいいね」「おなかいっぱいだね」と声をかけたり……。赤ちゃんが気持ちを表現し、ママが受け止めてくれてきたからこそ、自分の感情、自分の意志を表現できるように成長したのだと捉えましょう。
イヤイヤ期対応のポイント
ではどのように対応したらいいのでしょうか。
1つめは威圧したり叩いて、行動をコントロールしないこと。イヤイヤ期は、子どもの「こうしたい」と、親の「こうして欲しい」がぶつかる時期。だからといって、威圧したり、叩いたりして親の言うことを聞かせようとするのは、よくありません。威圧や体罰で子どもの行動をコントロールするのは、子どもが自分の気持ちを表現したり、自分で考える機会を奪うことにもなります。
2つめは、子どもの気持ちに共感すること。イヤイヤ期は、子どもの意思表明。子ども自身が「イヤ」という表現で、自分の気持ちを示しているわけです。「どうして?」と聞くと、子どもによっては理由を伝えてくれる場合もあります。またイヤという気持ちを説明できない場合もあるでしょう。そんなときには、「○○だからイヤなのかな」と気持ちを探りつつ言葉にしてあげましょう。
3つめは、親の対応を場当たり的に変えないこと。「イヤ!」とか「これが欲しい!」と何度も言って面倒くさいから、「じゃあいいよ」とその都度、おもちゃを買ったり、思い通りにしていると、ダメと言われたのに、ダダをこねると通るのだと思ってしまいます。子どものイヤという気持ちは受け止めつつ、その通りにできない理由を簡単に伝え、「○○だから、××できないよ」ときっぱりと対応しましょう。
気持ちをコントロールしている練習期間
イヤイヤ期は、気持ちをコントロールしている練習期間と捉えましょう。ママとのやりとりの中で「イヤ!」と言って、自分の考えが通らないことを受け入れられないこともあるでしょう。ワーっと泣き出したり、「イヤ!イヤ!」とダダをこねて感情を爆発させることもあります。親がいろいろな言葉を掛けても受け止められないときには、少し落ち着くまで待ってから、コミュニケーションを取りましょう。
大人は自分の思いが通らなくても、状況や理由で気持ちを収めようとしますが、イヤイヤ期の子どもは、感情コントロールの練習中。なかなかすんなりとはいきませんが、経験を繰り返すことによって、自分の気持ち、相手の気持ち、そのときの状況などを理解して行動できるようになっていきます。
高祖