「やっとおっぱいが上手に飲めるようになったと思ったら、今度は離乳食か……。上手くできるかな?」初めての子育てを頑張っているママの、ため息まじりの声が聞こえそうです。初めての育児には何かと不安がつきものです。ましてや、離乳食は赤ちゃんの成長に欠かせない「食」に関することですから、ママが不安になるのも頷けます。
でも、悩んでいても始まらない! ここは先手必勝ということで、離乳食を始める前にちょっと予習をしてみませんか? 離乳のことがわかれば、不安も減り準備もできますから、自信を持って離乳に取り組むことができますよ。
離乳食は大人の食事への第1歩
厚生労働省の「授乳・離乳支援ガイド」によれば、離乳とは、母乳または育児用ミルクなどの乳汁栄養から幼児食に移行する過程をいいます。つまり、赤ちゃんが大人と同じものを食べる練習をする過程というわけです。練習なのですから、最初から上手にできないのは当たり前。「食べた! 食べない!」と一喜一憂せず、のんびりゆったり進めていきましょう。
離乳は、赤ちゃんの月齢や食べ物の状態によって、ゴックン期・モグモグ期・カミカミ期・パクパク期の4期に大別されます。まずは、以下の表で離乳の大まかな流れをご覧ください。
※ 上表は、厚生労働省の「授乳・離乳支援ガイド」をもとに作成しました。記載された重量等はあくまでも目安です。実際の離乳は、赤ちゃんの食欲や成長・発達の状況に応じて、調整しながら進めることになります。
それでは、早速ゴックン期から見ていきましょう。
さあ、離乳の始まりです! <プレ離乳食とゴックン期>
生後3ヶ月頃から、そろそろ離乳食のスタートに向けて準備を始めます。プレ離乳食と呼ばれるこの時期には、母乳やミルク以外の味を知り、スプーンに慣れることが大切です。そこで、果汁やスープなどをスプーンで飲む練習を始めます。この時、赤ちゃんが喜ぶからと果汁などを哺乳瓶で大量に与えたり、逆に嫌がるのに無理強いするのは禁物です。
5~6ヶ月頃になると、授乳の間隔も大体決まってきて、よだれの量も増えてきます。赤ちゃんによっては大人が食べるのを見て、食べたそうなしぐさをすることもあります。そういったことが出てくれば、そろそろ離乳食を始める時期です。
離乳食スタートのゴックン期では、1日1回授乳前に、とろりとしたヨーグルト状の食べ物をスプーンで食べさせてあげます。濃度など、どんな感じかわかりにくければ、市販のベビーフードで、すくった時の感じやかき混ぜた時の状態を確認してみると安心です。
スプーンは、赤ちゃんが食べ物をくちびるで挟みやすいように、水平に口の中に入れてあげましょう。斜めに入れると、与える大人は楽ですが、赤ちゃんはスプーンが邪魔をしてうまく唇を閉じることができません。
流し込まれるのでなく、赤ちゃんが自分でくちびるを閉じて、上手にゴックンできるようになったら、モグモグ期へ進みます。
ママには1番大変な時期かも? 離乳の中核<モグモグ期>
モグモグ期は、1回食から2回食へ移行する時期です。赤ちゃんが離乳食を嫌がらずに食べるようになったら、栄養バランスや、食品、調理法の幅などを考慮しつつ2回食へもっていきましょう。時間帯は、午前1回、午後1回が一般的です。
この時期の離乳食は、どうしても作るのに手間がかかりますし、食べてくれなければイライラや不安が生まれることもあるので、ママにとっては1番大変な時期かもしれません。でも、ここを超えるとママの負担もぐっと減ります。もう少しだけ頑張ってくださいね。
2回食に進んで、舌と上あごで食べ物をつぶすことができ、お口をアーンとして赤ちゃんの方から積極的に食べる姿が見られるようになれば、カミカミ期に進みます。
家族で食卓を囲む楽しさを実感! <カミカミ期>
カミカミ期になると、歯茎で食べ物をつぶすことができるようになります。食べることが上手になり量も増えてくるので、2回食から朝・昼・夜の3回食へは自然に進んでいけます。3回食になると、大人と一緒に食事をすることも多くなりますから、家族一緒の楽しい食事体験ができ、食に対する興味・関心もぐっと高まるようです。
ただ、この頃には、色々なものを食べられるようになるので、ついつい大人が食べる加工品や嗜好品をあげてしまいがち。色々食べられると言っても、赤ちゃんはまだまだ大人とは違います。濃い味や添加物などにはくれぐれも注意してください。
時々、片方の頬だけを膨らませて食べたり、口もとがちょっとゆがむような動きをすることがありますが、これは片側の歯茎で食べ物をつぶそうとしているからです。このような動きが見られたら、いよいよ離乳食の最終段階・パクパク期へと移ります。
離乳の完了はもうすぐ! <パクパク期>
パクパク期では、3回食の食事のリズムが、そのまま生活のリズムとなっていきます。こうなれば、離乳食の卒業も間近です。
自分で手を出して食べたがる赤ちゃんも増えてきます。「上手に食べられないから……」とか「汚すから……」というママの気持ちはよくわかりますが、そこはぐっと我慢して、手づかみで食べられるメニューを用意するなど赤ちゃんの自分で食べたいという気持ちに寄り添ってあげましょう。自分で食べたいという意欲が高まれば、フォークやスプーン、箸などを使う練習もスムーズに進みますし、コップで飲むことも上手になってきます。
この時期に気をつけなければいけないのは、「ダラダラ食べ」と「おやつ」です。食事中に食べ物で遊びはじめたり、ダラダラと食べ続ける様子が見られたら、きっぱり食事を切り上げましょう。おやつもせがまれるまま与えていては、肝心の食事が食べられなくなります。
形のある食べ物をかみつぶすことができるようになり、エネルギーや栄養素の大部分を母乳や育児用ミルク以外の食べ物から摂れるようになれば離乳の完了です。
初めてママのために、離乳食の流れを見てきました。もちろん、これだけでは「離乳食の準備は万全!」とは言えませんが、大まかな流れと各時期のポイントがわかっていれば、うまく離乳が進まないことがあっても慌てずに済みますね。実際の調理等については、『クックパッドの離乳食』や『1週間ラクラク フリージング離乳食』のような、先輩ママに人気の離乳食メニュー本などを参考に、赤ちゃんの食の自立を促す離乳期を、美味しく・楽しく過ごしていきましょう。