出産も無事に終わり、幸せなはずなのに、急に泣きたくなったり集中力がなくなったりといった症状を感じていませんか?
不安症状は産前に起こるイメージがありますが、産後の不調や体の変化をマタニティブルーズといいます。
今回は、産後の女性を悩ませるマタニティブルーズについてお伝えします。
この記事の目次
マタニティブルーズの症状
産後にこれらの症状がでたら、マタニティブルーズである可能性があります。
こころが不安定になる
マタニティブルーズの症状として、こころが不安定になることがあります。
- かなしいことがあったわけでもないのに、急に涙がこみあげて泣きたくなる
- 出産前には普通にできていたことができなくなる
- なにをするにも集中できない
- イライラしてばかりいる
- 自分のすることに自信がなくなる
産後にどうにも調子がすぐれずに、このような症状があったらマタニティブルーズかもしれません。
体の不調
マタニティブルーズの症状はこころだけでなく、体の不調としても現れます。
- 体がいつも疲れている
- めまいや頭痛がする
- 過食や拒食になる
- 眠れなくなる
産後の体は元の状態に戻ろうと急激に変化をするため、ホルモンバランスも大きく変化します。
ホルモンバランスが崩れると、体に不快な症状や痛みも発生し、ママにとってはとてもきついとき。
出産の疲れがとれない体のまま赤ちゃんのお世話を始めるのですが、数時間おきの授乳やオムツ交換などで十分な睡眠がとれない状態がつづきます。
そのうちに慣れない育児に対してのプレッシャーや孤独感を感じてしまいマタニティブルーズへとつながるのです。
マタニティブルーズになったら
自分自身や身近な人にマタニティブルーズの症状があったら、周りの人の協力が必要です。
マタニティブルーズかもしれないと思ったとき、ママ自身もアクションをおこしてみましょう。
「パパ・両親・姉妹・お友達などに助けを求める」
「赤ちゃんと一緒に児童館・公園・福祉施設などに出かけてほかのママたちと話してみる」
「赤ちゃんとドライブしてみる」
まずは、ママのつらいと思うところやどうしたらよいのか分からないといった気持ちを、身近な家族に話してみましょう。
どうしても家族に話せないママは助産師さんや先生などに自分のつらいと思うことを話してみてください。
子育てに不安を感じたら、児童館や福祉館などに出かけて同じ境遇のママと話すことで
「こんなにつらいのは私だけじゃないのね」
「こんなときにはこうすればいいんだ」
と、気持ちが軽くなります。
また、赤ちゃんが泣いてばかりで寝てくれないのがつらいなら、ドライブや散歩に連れて行ってみましょう。
車の揺れやベビーカーの揺れで眠る赤ちゃんも多いですよ。
ママの負担を減らすことが、マタニティブルーズの症状の軽減にもつながります。
周りの人ができること
マタニティブルーズの人には、周りの人の協力がとても大切です。
まずはママの話にじっくりと耳を傾けてあげましょう。
周りの人からすればたいしたことではないかもしれませんが、否定することはやめてくださいね。
話を聞いた後は、なにをしたらよいかを聞いてみてください。
- 一日のうちに一人で過ごす時間がほしい
- 赤ちゃん以外の子どもの世話をしてほしい
- 洗濯やそうじ・皿洗いなどの家事をしてほしい
といった要望など、ママ以外の人ができることも多いはずです。
出産を機に、子育てに家事にとママが1人で背負ってしまうことがマタニティブルーズを長引かせてしまうこともあります。
周りの人が協力をして、ママが抱えている負担を軽減してあげてください。
マタニティブルーズの人にやってはいけないこと
マタニティブルーズの人にやってはいけないこと、
それは、「責めたり叱ったりしない」「赤ちゃんと二人きりにしない」ということです。
マタニティブルーズの人にとって、これ以上無理がきかないところまできていることも多く、説教をされても余計につらくなるだけです。
いつもなら軽く受け流せることでも、とても深く受け止めてしまう傾向にあるので、周りの人も十分に配慮してくださいね。
また、マタニティブルーズのひとは、大切な赤ちゃんに自分がなにかしてしまうのではないか?と不安を抱いていることも多いもの。
赤ちゃんと二人きりにしてしまうと、その気持ちに拍車がかかってしまいます。
できるだけ赤ちゃんと二人きりにならないようにフォローしてあげてくださいね。
2週間以上症状が続くなら
マタニティブルーズによる不調は、通常産後3日~2週間程度で収まるといわれています。
2週間を過ぎても症状が改善しないときは、マタニティブルーズではなく産後うつになっているかもしれません。
産後うつになると、今よりもさらにこころと体の不調が強くなり、長期間その状態でいることはママ自身をもっと追いつめてしまいます。
マタニティブルーズは真面目でしっかり者の人こそなりやすく、子育てに真剣に向き合っている証、決して恥ずかしいことではありません。
2週間を越しても症状が改善しない場合は、少しでも早く専門医を受診するようにしてくださいね。
今回はマタニティブルーズについてお伝えしました。
出産した多くの女性が経験するというマタニティブルーズは、本人にとってとてもつらい状態です。
ママ自身が体やこころの不調を感じたらマタニティブルーズの可能性を認識し、周りに助けを求めてください。
また、ママ自身ではどうにもならない状態になっていることも多いので、周りの人の協力が必要です。
体やこころの不調を決して放置せずに、赤ちゃんと同様、ママのこころと体もしっかりといたわってくださいね。