保育園に子どもを預けて仕事をしているママ、またはこれから働こうと思っているママから、「子どもを預けて、かわいそう」という声を時々聞きます。または、おばあちゃんから言われることがあるかもしれませんね。子どもを預けるのはかわいそうなのでしょうか。
子育てのストレス度を調査したところ、専業ママの方がストレス度が高いというデータがあります。昔は隣近所との付き合いも頻繁で、子どもを見ていてもらったりなどの関わりもありましたが、今は“孤育て”と言われるほど。マンションの一室で子育てをしていて、近所付き合いもほとんどないというママも少なくないのではないでしょうか。
いくら子どもがかわいいとは言っても、パパの帰りが遅く、ずっと親子で閉ざされた空間で過ごしていれば、疲れもストレスもたまります。子育ては親が思った通りにいかないことの方が多いもの。ぐずったり、泣きやまなかったり、子どもの相手をしていて家事もはかどらず、今日も夜になってしまった……なんて言うこともあるでしょう。
働くママはもちろん、子育てと仕事で大忙しですが、子育てとは別な場=仕事を持っていることは精神的にも大きなものです。子育てには終わりや完成はないですが、仕事には終わりがありますし、成果や結果が見えやすいもの。仕事でなく、趣味や地域活動など別な場を持っていることは、精神的なバランスにもとてもいいことです。
園での生活は、子どもにもメリットが
アフリカには、「子ども一人育てるには、村中の人が必要」ということわざがあるそうです。ママと2人だけで過ごすよりも、いろいろな子どもや大人の中で育つ方が、いろいろな人がいる、いろいろな考え方がある、対応の仕方がいろいろ違うということ、多様性を学ぶ機会にもなります。
また、子ども1人の場合は、おもちゃを独り占めして遊べますが、子どもがたくさんいれば取り合ったり、譲り合ったり、貸し借りしたりしなくてはなりません。時にぶつかり合うこともありますが、自分の気持ち、相手の気持ちを考えたり、トラブルを切り抜ける方法を子どもたちで考えていくようになります。関わり合いの中で社会性が育まれるということです。
親の不安は子どもにうつる?!
子どもを預けるのがかわいそうと、後ろ髪を引かれる思いで預けると、親も離れがたく、子どもも号泣することがあります。
子どもは親の不安をキャッチしますから、預けるときは、「ママもお仕事頑張るから、○○ちゃんもお友だちと楽しく遊んでね。夕方お迎えに来るよ!」と、お互いに頑張ろうという気持ちで。子どもも園生活で、友だちと関わりながら多様な経験を通して学ぶことを、子どもの成長へのプラスとして捉えましょう。
これから働くママで子どもを預け慣れていない場合には、一時預かりなど短時間から預ける練習をしてみましょう。離れ際は泣いても、案外、保育士さんや友だちと楽しく過ごしていることも多いものです。