赤ちゃんのモチモチとした肌に湿疹ができると、心配になってしまいますね。
治るまでに時間がかかると、アトピーかな?と余計に心配してしまいます。
乳児湿疹とアトピーでは、明らかに症状が違う点があります。そこで、乳児湿疹とアトピーの違いについてお伝えします。
この記事の目次
乳児湿疹とは
生後1か月くらいからみられる、額や頬、体に突然現れる湿疹のことを指します。
この時期は、ママのホルモンの影響を受けて皮脂の分泌がさかんなために見られます。
そのため皮脂で毛穴が詰まらないよう、清潔にする必要があるんです。
生後3か月を過ぎると皮脂の分泌は落ち着くのですが、今度は乾燥肌になってしまいます。
そして、肌のバリア機能が未発達なところに乾燥肌が重なるため、乾燥による乳児湿疹が見られるようになります。
乳児湿疹とアトピーの違い
では、乳児湿疹とアトピー、どのように違うのでしょう。
アトピーの特徴をあげて、その違いを説明します。
生後2~3か月頃にみられる
アトピーと診断された赤ちゃんを育てるママには、「初めて病院に行ったときには乳児湿疹だと言われた」と言う方もいるのでは?
それは、乳児湿疹がみられる時期と重なっていることが理由です。
乳児湿疹とアトピーを区別するためには、少し時間が必要になるケースもあります。
炎症を繰り返す
アトピーは、赤ちゃんの皮膚のバリア機能が低下しておこる「慢性的な炎症」のことをいいます。
慢性的な炎症とは、どのような状態を指しているのでしょう。
- 掻いてしまって皮膚がかぶれたように赤みを帯び、乾燥している状態が続く
- かさぶたができても掻いてしまい、新たな傷になってしまう
- 治ったと思ったら、新たな湿疹ができる
このような状態を繰り返すことをいいます。
強いかゆみ
炎症によって強いかゆみが現われます。
掻くことでさらにかゆみが増してしまったり、他の場所もかゆく感じたり、浸出液や出血をともなうことも。
赤ちゃんが頻繁に衣類で顔をこすったり、布団などの上で体をくねくねと動かしてこするような姿が頻繁に見られたら、強いかゆみと戦っているサインかも知れません。
また、強いかゆみのために眠れなかったり、泣いてしまうこともあります。
湿疹が左右対称にみられる
乳児湿疹とは違い、アトピーに見られる湿疹は左右対称に見られます。
顔からはじまり、首やお腹、腕や足へと湿疹が広がっていくようになり、肘の内側や膝の裏、足のつけ根など関節や皮膚がやわらかい部分にもよくみられます。
また、耳たぶと顔の境目に亀裂が入ってしまうこともあるので、よく観察してみましょう。
食物アレルギーの可能性にも注意
生後6か月頃になると離乳食をスタートさせます。
卵や牛乳、小麦など食べ物を原因とする可能性もあるため、検査を行う必要があります。
湿疹やかゆみといった症状だけではなく、赤ちゃんの食生活についても伝えられるよう準備しておきましょう。
処方される薬が違う
アトピーと診断された場合、「ステロイド」という薬を処方されます。
炎症を抑える作用が強く、効果が現れるのも早いことが特徴です。
(乳児湿疹でも、悪化しているケースではステロイドが処方されることもあります)
2歳未満は保険適応外となりますが、「タクロリムス」という薬もあります。
アトピーの診断基準
次の3つに当てはまると、アトピーと診断されます。
かゆみがあること
手でかいたり、体を動かしてこすっているような姿を頻繁に見せる。
かゆみが強いため、泣いたり夜中も眠れない。
典型的な場所にアトピー特有の湿疹があること
湿疹が頭や顔みられ、徐々に体から手足に広がっている。
湿疹が2ヶ月以上続いている
そのような状態が、赤ちゃんの場合は長く続いていると、アトピーと診断されます。
これだけはやっておこう
湿疹ができると、「乳児湿疹ができた」「アトピーかも知れない」と心配になりますよね。
毎日のケアを丁寧に行っていれば、乳児湿疹もアトピーも悪化を防ぐことができます。
特に意識してもらいたいことを4点、お伝えします。
皮膚を清潔に
沐浴やお風呂は毎日行いましょう。石けんをよく泡立てて、やさしく洗いましょう。
ガーゼで洗うと刺激になるのでは?と思ったら、手でやさしく洗ってあげてください。
拭き取りもやさしく行いましょう。
爪を短く切る
かゆいと感じたら、手で掻いてしまうもの。
爪が短ければこするだけになりますが、伸びていると傷を作ってしまいます。
掻き傷予防にミトンを使うこともおすすめします。
ミトンを使うと手が汗で蒸れてしまうので、外したときに拭いてあげましょうね。
衣類は肌にやさしいコットン素材
化学繊維でできた衣類は、肌を刺激してかゆみを感じてしまうこともあるので、肌にやさしいコットン素材の衣類を選びましょう。
汗をかくと、かゆみが増したように感じます。体を拭いたあと、きれいな衣類に着替えるようにもしましょう。
クリームや塗り薬はよく伸ばして
赤ちゃんは汗っかき。お風呂上りだけではなく、日中でも体を拭くことがあると思います。
そんなときは、衣類を着る前にクリームやローションを塗って乾燥を予防しましょう。
すでに塗り薬を処方されているときは、先生の指示通りに塗ります。
塗りムラができないよう、よく伸ばして塗りましょう。
赤ちゃんの湿疹が続くと、乳児湿疹?アトピー?と心配になりますよね。
違いがわかることで、病院で診てもらっても先生の説明が理解しやすくなります。
症状を少しでも落ち着かせるためには、生活の中で工夫できることもあるとわかりました。
乳児湿疹とアトピーの違いを知って、気になる症状がある場合は先生に相談できるようにしましょう。