ママが赤ちゃんに与えている母乳には、どのような栄養があるか知っていますか?
母乳は栄養たっぷりで赤ちゃんの体にとてもいい!とよくいわれますが、具体的にどんな栄養があるのでしょうか。
今回は、母乳に含まれる成分や、それが赤ちゃんの成長にどう関わるのかまで詳しく解説します。
この記事の目次
母乳には栄養がいっぱい!
ママのおっぱいを一生懸命吸って母乳を飲んでいる我が子の姿は、とても愛おしくて貴重です。
そんな赤ちゃんが飲んでいる母乳はもともとはママの血液からできていて、その8割以上は水分です。
それだけ水分が多くても、母乳の中には赤ちゃんに必要な栄養が豊富に含まれています。そのため、完全母乳でも赤ちゃんはぐんぐん成長していくのです。
母乳の栄養①たんぱく質
母乳に含まれる栄養の多くは、3大栄養素のひとつであるたんぱく質です。
たんぱく質といえば、肉や魚、豆腐、大豆といった食べ物を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
たんぱく質は身体をつくるのに重要な役割を果たす成分で、「ホエイ」と「ガゼイン」に分けられます。
赤ちゃんの成長にどうかかわる?
たんぱく質は、赤ちゃんの身体(筋肉、骨、皮膚など)の基本的な部分を作るのに必要です。
またホエイにはIgA抗体という免疫成分が含まれており、赤ちゃんを細菌やアレルゲンから守ってくれます。
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだいろいろな細菌やウイルスと接触してないので免疫がありません。
しかし、IgA抗体はそんあ赤ちゃんの喉や鼻を感染から守ってくれるのです。母乳を飲むことは、は赤ちゃんにとって最高の風邪予防になります。
母乳の栄養②アミノ酸
赤ちゃんの体を作るのに欠かせないアミノ酸も、母乳にはバランスよく含まれています。
必須アミノ酸は体の中で作り出すことができないので、母乳から摂取できるのは嬉しいポイントです。
赤ちゃんの成長にどうかかわる?
アミノ酸は、筋肉の収縮や発達に関わり、内蔵を動かすエネルギー源にもなっています。
まだ筋肉や内蔵が未発達な赤ちゃんにとって必要な成分ですね。
また、必須アミノ酸のひとつである「ヌクレオチド」は、赤ちゃんがリラックスして質のいい睡眠をとるのに役立っています。
母乳の栄養③ビタミン
母乳には様々なビタミンが含まれています。美容と健康のために、ビタミンを気にする大人も多いですね。
食べ物から摂取しようとすると、何を食べたらいいか迷うこともありますが、赤ちゃんに必要なビタミンを母乳から摂取することができるのです。
赤ちゃんの成長にどうかかわる?
ビタミンAは、風邪を引きにくくするなど免疫力アップが期待できます。
また、赤ちゃんの骨の成長に重要なカルシウムは、ビタミンDによって吸収率がアップします。
他にも、妊娠中に不足しないようにと言われている葉酸もビタミンの一種で、母乳に含まれる成分のひとつです。
葉酸は脳の成長に必要なビタミンなので不足させたくないですね。
しかし、ビタミンKだけは母乳から摂取することができません。
ビタミンKが不足すると、出血しやすくなったり骨の成長に影響することも。そのため出産後や健診で赤ちゃんにビタミンK2シロップを与えるのです。
母乳の栄養④ミネラル
赤ちゃんの体の成長に必要なミネラル。ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、リンなどがこのミネラルにあたります。
体の中で作り出すことはできないので、赤ちゃんは口から摂取する必要があるのです。
赤ちゃんの成長にどうかかわる?
内臓や骨といった体を構成する組織にミネラルが関わっています。
そのため、不足すると体の調子が悪くなったり、成長に栄養を及ぼすことも。
カルシウムが不足すると、成長が遅れたり、骨がもろくなったりするリスクがあるのです。
不足しないためには、授乳中のママも積極的にカルシウムを摂取するようにしてくださいね。
母乳の栄養⑤脂質
母乳には脂質も含まれています。脂質というと、太る・脂肪というイメージを持つママも多いのではないでしょうか?
しかし、赤ちゃんの成長にとってとても大切な栄養のひとつなのです。
赤ちゃんの成長にどうかかわる?
脂肪は赤ちゃんのエネルギーの源になります。
また、脳や神経細胞の成長には脂質は必要不可欠なので不足させるわけにはいきません。
さらに、ホルモンを作り出したり、目の組織にも脂質は必要なのです。
母乳の栄養⑥炭水化物
ママの母乳の中には、炭水化物も含まれています。
炭水化物と聞くと米やパンをイメージする人も多いでしょうが、母乳に含まれる炭水化物の主な成分は乳糖とオリゴ糖です。
赤ちゃんの成長にどうかかわる?
乳糖はカルシウムの吸収を助ける働きをするので、赤ちゃんの成長に大切な栄養です。
また、便秘対策のイメージもあるオリゴ糖は赤ちゃんの腸内環境を整えてくれます。
母乳を飲むだけで便秘や下痢の対策ができているということになりますね。
今回は母乳に含まれる栄養と、赤ちゃんの成長への影響についてご紹介しました。
母乳は栄養豊富とよくいわれますが、詳しく見ていくと赤ちゃんの成長に影響する成分がたくさん含まれていることがわかります。
ただし、赤ちゃんは成長するにつれて活動量も増え必要な栄養も変わってきます。
月齢によって変化する母乳の栄養については、また別の機会に説明しますね。